より印象に残るポートレート撮影

By | 2014-12-03

秋の河口湖畔で撮影(モデル:櫻井みのりさん)

秋の河口湖畔で撮影(モデル:櫻井みのりさん)

今回は女優でモデルの櫻井みのりさんの協力のもと、より印象に残るポートレート撮影の模索というテーマで秋も深まる山中湖畔で撮影を行いました。

秋も終わるころに河口湖畔で撮影(モデル:櫻井みのりさん)

秋も終わるころに河口湖畔で撮影(モデル:櫻井みのりさん)

一般にポートレートは日本語訳にすると肖像画になりますが、写真業界では白やグレーのグラデーション、黒などの背景紙の前に人物が立ち、大型のストロボ2灯あるいは3灯で光をコントロールして撮影するスタイルを言います。

大型のストロボを使う理由はフィルム時代の名残で現在主流となっているデジカメのようにはISO(感度)の変更が困難であったことが一つにあります。

その他に窓から入る自然光(あるいは逆光)で被写体が暗くなってしまうのを補完して、それを遥かに凌ぐ強力な光をストロボに求め、昼夜関係なく再現性のあるポートレート撮影を行うことも理由です。

さて、ポートレートですが、もちろん利用目的によって被写体が身に着ける服やポージング、ストロボ光の角度などを変えて撮影をするのですが、今回はその背景を夕刻の自然風景として、被写体をより印象的に撮影する方法の模索の結果の一部を紹介します。

【1枚目】

日没後の山中湖畔で撮影(モデル:櫻井みのりさん)

日没後の山中湖畔で撮影(モデル:櫻井みのりさん)

これは太陽が沈んだあとに撮影したものです。風景撮影を主としている人にとっては最も美しい風景が次々に撮影できる時間帯でブルーアワーなどと呼ばれています。

しかしこの背景の手前に人物をいれても完全なシャドウでしか写りません。表情やポーズなどを浮かび上がらせるためには人物用の光が必要となります。

しかし薄暗い中ではストロボ光を当ててしまうと背景は黒潰れになってしまいます。そこで調光可能な小型のLEDライトで背景と人物の明るさのバランスを取ります。

ただ前述のブルーアワーは時々刻々と暗くなり、5分もすれば絞りでいえば1~2段ほど暗くなってしまいます。

再現性のあるポートレート撮影が非常に難しい条件です。

【2枚目】

日が暮れて背景が闇の山中湖畔で撮影(モデル:櫻井みのりさん)

日が暮れて背景が闇の山中湖畔で撮影(モデル:櫻井みのりさん)

ほぼ太陽が沈んでしまえば、都市部と異なり周囲は闇です。撮影場所は湖岸なのでストロボを光らせても背景は真っ黒です。

【3枚目】

背景に対岸の街灯などの光を入れて撮影(モデル:櫻井みのりさん)

背景に対岸の街灯などの光を入れて撮影(モデル:櫻井みのりさん)

闇とはいえ見回せば対岸の灯りが僅かにあります。背景としては若干寂しいのですが、被写体に寄って、絞りは解放で弱い光を当てて撮影し、丸くぼけた光がアクセントになります。

【4枚目】

背景にボートを入れて撮影(モデル:櫻井みのりさん)

背景にボートを入れて撮影(モデル:櫻井みのりさん)

さて、完全な闇でも背景には湖が広がっています。それが分かるようなものを探します。山中湖は昼間はワカサギ釣りのボートが多く、夕刻になるとそれらは湖岸に戻ってきますので、それを背景の一部として取り入れました。

これはストロボは2灯使用して、1灯は拡散光でボートや小さな桟橋が主張しすぎないように照らし、光量を調節しています。

主役は人物ですから背景はボケている方が自然なポートレートになります。そのためレンズは100から200mmの望遠を絞り解放にして人物に当てるストロボ光も最小限にしています。

作例としては少ないのですが夕刻から夜にかけて自然風景を背景にしたポートレート撮影の手がかりを得たという結論です。

気温がみるみる下がる寒い中、撮影に協力していただいた櫻井みのりさんには大変感謝しています。

秋の河口湖畔で撮影(モデル:櫻井みのりさん)

秋の河口湖畔で撮影(モデル:櫻井みのりさん)

******************************************************

以下、スタジオなどでも行われる、人物の後ろからストロボを光らせ輪郭を際立たせる撮影なども試みました。また気温も低く、敢えて吐息も浮かび上がる撮影もしています。

真後でストロボを光らせて撮影(モデル:櫻井みのりさん)

真後でストロボを光らせて撮影(モデル:櫻井みのりさん)

真後でストロボを光らせて撮影(モデル:櫻井みのりさん)

真後でストロボを光らせて撮影(モデル:櫻井みのりさん)

河口湖畔で撮影。持っているのは枝(モデル:櫻井みのりさん)

河口湖畔で撮影。持っているのは枝(モデル:櫻井みのりさん)